筆者は時代劇に登場する男装の女剣士が大好きでたまりません。女性が性別を隠さなければならないという状況に非常にドラマ性を感じますし、女性が男装すると、隠しても隠し切れないふくよかな胸やお尻がかえって自らの「女」を強調してしまい、自然と倒錯美をかもし出すものです。 胸にさらしを巻いた女剣士が追っ手から逃れたり捕まったりといったシチュは、まさに時代劇ならではの危ういエロスの発現であります。
そんな女剣士は下着にきっちりとふんどしを締めていなければ! と常々思うのですが、これにはちゃんとした理由があります。まず、膝丈の長い腰巻ではズボン状の袴は穿けません。ひっかかってしまいますし、腰のところを軽く止めた程度では激しく動くうちに落ちてしまいます。そして刀を振り回すには大変力が要ります。古武道でも教えるように、下腹部を締めつけることでお腹に力が入りふんばりやすくなるのです。袴の帯やふんどしを臍の下で締め上げるのはその点で理にかなっているのです。
そして一番大きな理由は、江戸時代までの女性は褌を生理帯として使っていた、という点です。毎月約1週間締めたとして、12週間=3ヶ月。1年の1/4をふんどしを締めて過ごしていた当時の女性にとって、ふんどしとはごくごく一般的な日常の下着だったのです。何の抵抗感もあろうはずがありません。ただ昔は生理中の女性を穢れたものとして忌み嫌う風習があったので、そのことがおおっぴらに語られてこなかったというだけなのです。
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