◇ふんどしビデオの歴史◇

◇その分類について

 ふんどしの登場するビデオは大別すると3つのパターンに分かれます。まず第一は女相撲物。そしてふんどしを羞恥責めのアイテムとして活用するSM系作品。そしてふんどしブームの影響によって大量に生まれた、ふんどしシーンのある一般AVやグラビアアイドルのイメージビデオがそれです。
  ビデオの場合、グラビア以上に少数のマニアのニーズに対応しているため個々のジャンルがはっきりと独立し、グラビアほど顕著にブーム衰退の影響を受けなかったのが特徴です。

 

◇ふんどしビデオの代名詞・女相撲

  女相撲は大変歴史が古く、また熱狂的なファン層が存在します。そのため、ふんどし物というよりは既に独立した一ジャンルという感もありますが、やはり外すわけにはいきません。
  ビデオの世界では、その勃興期から既に女相撲ビデオが存在していました。胸もあらわなまわし姿の女性同士の対決を楽しむ女相撲というイベントは、大変ビデオ向きの題材だったからです。ふんどしビデオの歴史とはそのまま女相撲ビデオの歴史であるともいえるでしょう。

 まず筆頭に挙げられるのは、宇宙企画が85年頃から出していたビデオマガジン「アタックビデオ」(左)です。
 当時人気のあった新宿歌舞伎町の「ガーデンパブアサヒ」の女相撲ショーで活躍した中村京子を呼び込んで定期的に女相撲大会を開催、その模様を取り上げています。
  これは女相撲ビデオの草分けであり、パルコ や武田久美子のポスターと同じく、ふんどしブーム到来の気運を大きく盛り上げてくれた記念碑的シリーズです。
  中村京子はその巨乳ぶりと相撲の強さから女相撲クイーンとして君臨し、その後も海外で女相撲公演を行ったり、「痴漢電車 りえのフンドシ」(90年・新東宝)や不二企画のSMビデオにもふんどし姿で出演するなど、女性のふんどしの普及に大変功績のある女性です。
 
アタックビデオ
/宇宙企画
   
花のおんな相撲
/T.M.C
 ふんどしブームが一段落ついた 96年には、キャットファイトにこだわり続ける中野貴雄監督による「花のおんな相撲」(右)が発表されています。AVではなくVシネマの一般作であることも手伝い、主演の水谷ケイ人気とも連動して女相撲ビデオの中では知名度が高い作品です。
  この時期、水谷ケイは写真集でもふんどし姿を披露し、ブームの谷間に1人気を吐いていた感がありました。
   

 90年代半ばにブルセラブームが起きると、マニアショップによるインディーズビデオが多数製作されるようになり、そうしたキャットファイトビデオの中にも女相撲を取り上げた作品が生まれました。
  ワルキューレ「女相撲総集編」(左)やバトル「女相撲」Club-Q「GIRLS FIGHT」といったシリーズがその代表的なものです。
  中でもTF-CLUB「ふんどし女相撲」(右)は、まわしではなく六尺褌を締め、ガチンコ勝負よりもアクションによる食い込みをローアングルで狙うという斬新なコンセプトが従来のキャットファイト物とは一線を画し、現在も続く人気シリーズです。
  布以外にもビニールテープやサランラップ製の変則ふんどしを考案しつつも、あくまでふんどしを主役に据えたその作りは新鮮なエロスを感じさせ、着エロの先駆的ニュアンスもあり、ふんどしビデオが新時代に入ったことを感じさせるものでした。
 
相撲総集編/
ワルキューレ
ふんどし女相撲
/TF-CLUB
   
  なまじ熱狂的なファンが多いだけに 「ちゃんとまわしを締めろ」「ガチンコ勝負でやれ」といった厳しい批判の声もよく聞かれますが、美人度や相撲の本気度などすべてをクリアした女相撲作品の実現はなかなか難しく、それはマニアの見果てぬ夢なのかもしれません。個々の作品の出来不出来はともかく、21世紀となってからもムーディーズの大作どすこい!ソフトオンデマンド20人!エロ女相撲選手権といった作品が発売されるなど、女相撲ビデオは現在もコンスタントに作り続けられています。(この項つづく)
 
 
 

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