◇ 当美術館の理念 ◇

 

ふ ん ど し 礼 讚

 ご存じのように、『ふんどし』とは一枚の布を股間に巻きつけて下着とするものだ。一般的な六尺褌の締め方を簡単に説明すればこうなる。

  1.長い布を股間に通し、布の一端を肩にかける。
   2.布のもう一方をねじりながら尻の方へまわし、腰のあたりで押さえる。
   3.それを直角に曲げて腰をぐるりと一周させ、からませる。
   4.あごで押さえていた部分を下ろして股間に通し、腰の結び目にからませる。

 ゴムが縫い付けられ、はけば勝手に身体に密着してしまうショーツとは違い、ふんどしを締めるにはこれだけ多くのプロセスがある。簡単には締めることが出来ず、着用者に「ふんどしを締めるのだ」という自覚と自発性が要求される。つまり「敷居の高い下着」なのだ。

  まず裸になった女性が上の作業をするところを想像してみてほしい。なんとも秘めやかで、美しくもエロティックな光景だろうか? そして、きりりと六尺褌を締め上げた女性の姿を想像してみてほしい。
  二枚に重ねられた布が股間をおおっている。男性と違い、なんの障害物もない女性の股間には布が食い込むばかりだ。そしてその上端には、固くねじられてひも状になった布が通されている。
  後ろ姿に目を向ければおしりは丸出し、ねじられた布が双臀を割り、食い込んでいる。しかも、そのひも状の布はTバック状態で腰のあたりで固く結ばれているのだ! こんなにも凛々しく美しいラインを持つ下着が他にあるだろうか?

  そもそもふんどしは男性用の下着である。『褌』という漢字は分解すると『裸』『軍』という字になることから裸に近い服装で暮らしていた古代の男性が戦争時に急所を保護するために用いたことに由来する。ふんどしとは発生の段階からして男性のために作られたものなのだ。それ故ふんどしには『戦いに明け暮れる戦士の活動的な下着』というイメージがつきまとう。

 そんな雄々しい男性の下着を女性が身につける、倒錯したミスマッチ感覚。神聖な儀式にも似た複雑でフェティッシュな締め方のプロセス。性器と肛門を締めつける、甘美な拘束感。ギリギリと股間に食い込む、その形状。現代のTバックなみのセクシーなリアビュー。そして「自分はふんどしを締めるのだ」という決意。それらすべての要素に僕は感動するのだ。

 ゆえに、女性のふんどし姿は素晴らしい。

 
※以上は10年近く前、ワープロで書き散らした文章に若干手を加えたものです。今読むと気恥ずかしさがあり、考察の足りない面もありますが、当時ふんどしの魅力に気づいたばかりの筆者の新鮮な感動が伝わるように思い、ここに掲載しました。
(文責:はかせ。)
 
 

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