★ふんどしコラム 05★ |
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その7 「ふんどしCD海外編」 |
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ふんどしとは元来、非常に原始的な下着です。そのルーツは決して日本だけにとどまりません。ですから海外へ目を向ければ、いくつものふんどしアイテムを発見することができます。今回、輸入盤屋で見かけたふんどしCDをいくつかご紹介しましょう。 | ||
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まず最初に紹介するのはタヒチの民謡のCDです。パーカッシブな演奏に乗せて歌われるなごやかな男女コーラスは、南方特有のリラックスした空気に包まれていて心地よく、ハワイアン音楽の源流ともいわれています。しかもこのジャケット! この刺青の入った魅力的なふんどしのお尻だけで、ユーザーの購買意欲が30%、いや50%はアップすると思われます。 タヒチ諸島といえば、映画「南太平洋」(1959)の舞台にもなり、フランスの画家・ゴーギャンも愛した南太平洋の楽園です。ここの原住民の方にもふんどしを締める風習があったようで、ゴーギャンの描いた絵や一部の記録写真にふんどしを締めた女性が確認されています。90年代のふんどしグラビアに多大な影響をあたえたPARCOの広告アートも、そのルーツをたどればゴーギャンへと行き着くのかもしれませんね。 |
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LES DERNIERS SAUVAGES(1995)/ TAHITI TIKI THEATRE MAOHI |
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そしてザ・スリッツの1stアルバム。メンバーが前垂れを垂らした原住民系ふんどしを身にまとい、泥まみれで立っているジャケットは、そのスジではかなり有名です。撮影当時、メンバーが全員10代だったというのも驚きです。 70年代後半に英米で起きたパンク・ロック・ムーブメントは既成のロックへのアンチテーゼとして機能しただけでなく、社会的・政治的な問題提起を行いました。女性解放もそのひとつです。 スリッツもそうした流れの中から出てきたバンドで、露骨に性的なバンド名(割れ目!)、レゲエやダブに影響を受けた音楽性、テクニックのかけらもないプリミティブな演奏力、これはそれらの要素を上手く表現したジャケットだといえるでしょう。 |
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次はイギリスのバンド、ザ・ジーヴァスのシングル。ジーヴァスは元クーラ・シェイカーのクリスピアン・ミルズが結成した3ピースのロックバンド。クーラ・シェイカーはタフでファンキーなグルーヴ感と60年代ロックを思わせるインド〜東洋趣味を前面に押し出し、日本でも高い人気がありましたが、このジーヴァスでもその音楽性は受け継がれています。 ジャケットもそんな彼らの音楽をよく反映していて、宇宙をバックにエプロン状のふんどし?を腰に巻いた金髪美女が合掌している図。なんともセクシーでいかがわしく、ジミ・ヘンドリックスを思わせます。欧米のミュージシャンがこういうジャケットを使う場合 、その背景には非西欧的なものへの憧れがあるようです。 |
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(文責・はかせ。) |
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